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後任・採用

後任が見つかるまでの業務をどう回すか。5つの選択肢と費用の比べ方

退職する方の後任を探し始めても、すぐに入社してもらえるとは限りません。求人を出し、応募を待ち、面接をして、入社日を決める。在職中の方を採用するなら、その方が今の会社を退職するのを待つ期間も加わります。その間も、請求や支払、給与の準備は止められません。

欠員を補充するまでの間をどう回すかには、いくつかの方法があります。この記事では、後任が見つかるまでの回し方を5つ取り上げ、同じ条件で費用と中身を比べます。例にするのは、従業員40名ほどの会社で、月給28万円の経理総務の方が退職するケースです。

例:月給28万円の経理総務の方が退職する

1人で経理と総務を担当している方の業務を、月160時間として書き出すと、たとえば次のようになります(架空の例です)。

業務 月の時間 種類
仕訳の入力・経費精算 30時間 手順どおりの作業
請求書の発行・入金の確認 25時間 手順どおりの作業(郵送は現地)
支払の準備(振込データの作成) 10時間 判断が要る(承認は社長)
給与計算の準備(勤怠の集計) 20時間 判断が要る
月次の締め・税理士への資料の送付 15時間 判断が要る
電話・来客・郵便・小口現金 35時間 現地の作業
そのほか 25時間 ─

経理の担当が1人だけの会社で、退職日までに進めておくことは一人経理の方が退職するときの記事で紹介しています。

選択肢を比べるときは、費用のほかに次の3つを見ます。

  • 期間 後任が来るまで数週間か、半年近くかかりそうか
  • 業務の種類 手順どおりの作業、判断が要る業務、現地の作業がそれぞれどれだけあるか
  • 知識を残すか 前任の方のやり方や判断の基準を、社内に残す必要があるか

選択肢1:同僚が仮に担当する

同じ部署の方や、社長・役員が、後任が決まるまで業務を持つ形です。いちばん早く始められ、外に払う費用はかかりません。

かかるのは、主に残業代です。時間外労働の割増賃金は25%以上で、月給制の場合は、月給を1か月の平均所定労働時間で割った額がもとになります(厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」)。仮の担当の方の月給も28万円、1か月の平均所定労働時間を160時間として単純に計算すると、1時間あたり1,750円、割増後は約2,190円です。残業が月に30時間増えれば、約6.6万円になります。

ただし、160時間分の業務を1人に上乗せすることはできません。時間外労働には、原則として月45時間・年360時間の上限があります(厚生労働省「時間外労働の上限規制」)。実際には、止められない業務だけを数人で分けることになります。手当の扱いなどで実際の計算は変わるので、顧問の社労士にご確認ください。

  • 向いているとき 後任の入社日がほぼ決まっていて、空く期間が短い。任せる業務が少なく、手順がはっきりしている
  • 気をつけること 負担が1人に集まりやすい。後任の方が入ると、今度は仕事を説明する側に回る。仮の担当を置くときに決めることは、上司が最初の1週間で決めることで紹介しています

選択肢2:派遣を受け入れる

派遣会社と契約し、派遣スタッフの方に社内で働いてもらう形です。

厚生労働省の集計では、会計事務の派遣料金(派遣先が派遣会社に支払う額。1日8時間換算、消費税込み)の平均は19,227円、一般事務は18,112円です(令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報))。月20日で計算すると、会計事務で約38万円、一般事務で約36万円になります。実際の料金は、地域や求める経験で変わります。

  • 向いているとき 1人分の業務量があり、席にいてもらう必要がある。電話・来客・郵便など、現地の作業も頼みたい
  • 気をつけること 派遣では、派遣先の会社が仕事の指示を出します。業務の手順は社内で説明します。前任の方の在職中に来てもらえれば、直接引き継いでもらえます

選択肢3:オンラインアシスタント(時間制)に頼む

オンラインで事務や経理の作業を行うサービスです。ここでは、月に使う作業時間で料金が決まる、時間制のサービスを取り上げます。どの時間数のプランを選ぶか、時間を超えた分をどう扱うかはサービスごとに決まっているので、各社が公開している料金表で確かめます。

時間制なので、頼む作業が少ないほど費用は下がります。請求書の発行だけ、経費精算の入力だけのように、月に十数時間で済む作業を切り出して頼むなら、月給をもとに料金を決める引継ぎ代行プラス(この例では月16.8万円から)より安く済むことが多いです。

  • 向いているとき 作業を小さく切り出せる。月の作業時間が少ない
  • 気をつけること 前任の方のやり方や判断の基準をどう伝えるかは、事前に確かめておきます。判断が要る業務は切り出しにくく、社内に残ります。現地の作業は頼めません

選択肢4:業務ごとの代行(経理代行・給与計算代行など)

経理、給与計算、請求書の発行など、業務の単位で外部に任せる形です。料金は、任せる業務の種類と量をもとに見積もってもらいます。

  • 向いているとき 任せたい業務がはっきりしている。後任が決まったあとも、その業務は外に任せ続けたい
  • 気をつけること 決めた範囲の外の作業は社内に残ります。会社ごとのやり方に合わせてもらえるかも確かめます。税務申告・税務相談は税理士の、社会保険・労働保険の手続き書類の作成・提出は社労士の業務です

選択肢5:引継ぎ代行に頼む

退職する方から外部の会社が直接業務を引き継ぎ、後任が決まるまで業務を回し、後任の方に引き継ぎ直す形です。私たち引継ぎ代行プラスが公開している料金(税別)は、次のとおりです。

内容 料金 この例では
退職する方からの引き継ぎ(マニュアル・動画マニュアル・引継ぎAIの作成) 月給の50%(1回) 14万円
後任が決まるまでの業務代行 月給の60〜80%/月(最低2か月) 月16.8万〜22.4万円
後任の方への引き継ぎ(最長1か月) 業務代行に含む ─
  • 向いているとき 退職日まで時間が少なく、前任の方の知識を社内に残したい。1人分の業務をまとめて預けたい。後任の方に仕事を説明する人が社内にいない
  • 気をつけること すべてリモートなので、現地の作業(この例では月35時間ほど)は社内に残ります。支払いの実行や、契約・価格の判断も社内です。業務委託なので、依頼は窓口の方からまとめて出します。頼みたい作業が少ないなら、選択肢3の方が安く済みます

5つを同じ条件で並べる

費用と、引き受けてもらえる範囲

選択肢 月の費用の目安(この例) 費用の決まり方 現地の作業
同僚の仮担当 残業代。月30時間で約6.6万円 残業の時間 できる
派遣 約38万円(会計事務の平均、税込) 1日の料金×日数 できる
オンラインアシスタント 各社の料金表で確認 月の作業時間 できない
業務ごとの代行 見積もりで確認 業務の種類と量 サービスによる
引継ぎ代行プラス 月16.8万〜22.4万円(税別)+初回の引き継ぎ14万円 月給×料率 できない

派遣は席にいてもらう1人分の時間、引継ぎ代行プラスは現地の作業を除いた業務の代行なので、引き受ける範囲は同じではありません。派遣料金は消費税込み、引継ぎ代行プラスの料金は税別です。

前任の方の知識と、後任の方への引き継ぎ

選択肢 前任の方の知識 後任の方への引き継ぎ
同僚の仮担当 在職中に、社内の方が受け取る 仮の担当の方が行う
派遣 在職中に来てもらえれば、直接受け取れる 社内の方か派遣スタッフの方が行う
オンラインアシスタント 伝え方を事前に決める サービスによる
業務ごとの代行 伝え方を事前に決める 任せ続けるなら要らない
引継ぎ代行プラス 退職する方から直接受け取り、マニュアル・動画・引継ぎAIにする 含む(最長1か月)

派遣・外注・オンラインアシスタントとのちがいは、派遣・外注とのちがいのページでも整理しています。

費用は「初期費用+月額×期間」と「社内の時間」で比べる

月額だけを並べると、判断を誤りやすくなります。次の2つを足して比べます。

  1. 外に払う費用 初期費用+月額×後任が来るまでの見込みの期間。最低契約期間があるなら、それも入れる
  2. 社内で使う時間 手順を説明する時間、仮の担当の方の残業、後任の方が入ったあとにもう一度説明する時間

この例で、後任が来るまで4か月かかるとすると、外に払う費用は次のようになります。

選択肢 4か月で外に払う費用 引き受ける範囲
同僚の仮担当 約26万円(月30時間の残業代×4か月) 止められない業務の一部
派遣 約154万円(会計事務の平均料金×20日×4か月、税込) 席にいる1人分の時間。現地の作業も含む
オンラインアシスタント 頼む時間による 切り出した作業
業務ごとの代行 頼む業務の量による 決めた範囲の業務
引継ぎ代行プラス 約81万〜104万円(初回の引き継ぎ14万円を含む、税別) 現地の作業を除いた業務

引き受ける範囲がそれぞれちがうので、金額だけで高い・安いは決まりません。仮の担当の残業代は小さく見えても、説明する時間や、ほかの仕事が後回しになる分は表に出てきません。逆に、外部に任せても、窓口になる方の時間はゼロにはなりません。

選び方:期間と業務の種類で組み合わせる

状況 合いやすい選択肢
後任の入社日がほぼ決まっていて、空くのは数週間 同僚の仮担当(範囲と期間を決めて)
月に十数時間で済む、手順のはっきりした作業だけ オンラインアシスタント
経理や給与計算など、決まった業務を長く任せたい 業務ごとの代行
電話・来客・郵便も含めて、席に人がいてほしい 派遣
退職日まで時間がなく、1人分の業務と知識をまとめて預けたい 引継ぎ代行

1つに決める必要はありません。この例なら、郵便や来客など現地の作業は社内の方、手順どおりの作業は外部、判断が要る業務は上司、のように分けることもできます。大事なのは、業務ごとに持つ人を決めて、1人に寄せないことです。

見つかるまでの間に、後任の条件を見直す

採用が長引くときは、前任の方と同じ条件で探し続けるかを考え直す時期です。入力や集計のような作業を仕組みに置き換えれば、後任の方に求める経験や時間を減らせることがあります。場合によっては、同じ人数を採用しなくても回るようになります。

進め方は採用の前に「業務を減らす」という選択肢で、退職日までに先に残しておくことは後任が決まらないまま退職日が来るときの記事で紹介しています。

引継ぎ代行プラスでできること

引継ぎ代行プラスは、退職する方からオンラインで業務を引き継ぎ、マニュアル・動画マニュアル・引継ぎAI(質問に答えるAI)にまとめます(月給の50%、1回)。後任が決まるまでの業務をリモートでお引き受けし(月給の60〜80%/月、最低2か月)、後任の方が慣れるまで最長1か月、業務代行の中で引き継ぎます。派遣ではなく業務委託なので、ご依頼は窓口の方からお受けします。回しながら定型の作業を仕組み化することもでき、構築は30万円からです。経理・総務の例は経理・総務の引き継ぎのページをご覧ください。相談と簡易診断は無料で(お問い合わせ)、モニター企業も先着5社募集しています。

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