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産休・育休

産休・育休の代替要員が見つからないとき。業務を止めずに復帰まで回す方法

産休・育休は、退職とちがって、戻ってくる日が見えている休みです。ただ、その間だけ業務を担う代替要員を探しても、期間が限られているため、なかなか見つからないことがあります。

この記事では、代替要員が見つからないときに、業務を止めずに復帰まで回す方法を、準備を始める時期から順に紹介します。大事なのは、休業に入る前の引き継ぎを、復帰される方に業務を戻すところまで考えて準備することです。

1. 準備を始める時期は、休業の期間から逆算する

最初に、休業がいつ始まり、いつまで続く見込みかを確かめます。休業の期間は、次のように決まっています。

休業 期間 出典
産前休業 出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から。本人が請求した場合 厚生労働省
産後休業 出産の翌日から8週間。6週間を過ぎて本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務には就ける 厚生労働省
育児休業 原則、子が1歳になるまで。保育所に入れないなどの事情があれば、最長で2歳まで。希望どおりの日から休むための申出は、休業を始める日の1か月前まで(1歳以降の休業は2週間前まで) 厚生労働省
産後パパ育休 子の出生後8週間以内に、4週間(28日)まで。2回に分けて取れる。申出は休業を始める日の2週間前まで(労使協定がある場合は最大1か月前まで) 厚生労働省

出産予定日がわかれば、休業の期間と申出の時期は、厚生労働省の産前・産後休業、育児休業の自動計算で出せます。出た日付を、社内の業務カレンダーに書き込んでおきます。

全体の流れは、次のようになります。

時期 会社が進めること
妊娠の申出を受けたとき 制度の案内と意向の確認。休業の予定を確かめる
申出から産前休業まで 業務の書き出しと仕分け、休業中の担い手探し、引き継ぎ
産前休業・産後休業 引き受けた側が業務を回し、変わったことを記録する
育児休業 同上。延びる場合は、担い手の期間も延ばす
復帰の前後 復帰される方に業務を戻す

引き継ぎに使えるのは、妊娠の申出を受けてから、産前休業に入るまでの期間です。体調によって予定より早く休むこともあるので、止まると困る業務から先に引き継ぎ、1回ごとの引き継ぎの時間は短く分けて取ります。

育児休業は、保育所に入れないなどの事情で延びることがあります。代わりの担い手を決めるときは、延びた場合にどうするかも、あわせて決めておきます。

申出を受けたときに会社がすること

従業員から、本人または配偶者の妊娠・出産の申出があったときは、育児休業の制度などを個別に知らせ、休業を取るかどうかの意向を確かめることが、事業主に求められています(厚生労働省)。2025年10月からは、勤務時間帯や業務量など、仕事と育児の両立についての意向を個別に聞くことも加わりました(厚生労働省)。

厚生労働省は、休業に入る方と関係者との引き継ぎを円滑に進めるための面談も、効果的な取り組みとして挙げています(厚生労働省)。産前産後休業・育児休業中の社会保険料の免除の申出など(日本年金機構)、手続きの進め方は顧問の社労士にご確認ください。

2. 休業中の業務は、3つの方法を組み合わせて回す

休業中の業務の回し方は、大きく3つです。

方法 向いているとき 気をつけること
社内で分担する 業務量が少ない。判断や社内の調整が多い 分担した方の負担が長く続く。期間と、判断を誰が持つかを決める
派遣・有期雇用で代替要員を置く 業務量が多い。社内にいないとできない作業が多い 募集から着任まで時間がかかり、見つからないこともある。着任後に教える方が要る
外注・業務代行に任せる 定型の作業が多い。リモートでできる 郵便・来客・現金など、その場で行う作業は社内に残る。任せる範囲を先に決める

1つに決める必要はありません。判断が要る業務は社内の方に、定型の作業は外部に、というように分けると、社内の負担を抑えられます。どの方法でも、休業に入る方から直接引き継ぎを受けられる期間があるかどうかで、立ち上がりが大きく変わります。

代替要員を募集する場合は、着任するまでの間を誰がどう回すかも決めておきます。産後パパ育休のように数週間の休業であれば、休業前に一部の作業を前倒しで済ませ、残りを社内で分担すれば回ることもあります。

代替要員が見つからないときは、業務の方を分ける

代替要員が見つからない理由の1つは、休業に入る方の業務をそのまま1人に任せようとすると、求める経験が多くなりすぎることです。期間が限られた募集では、条件に合う方はさらに見つかりにくくなります。

そこで、人を探す前に業務の方を分けます。

  • 定型の作業(入力、集計、書類の作成など)は、手順を録画と手順書で残せば、経験の浅い方や外部にも任せられます
  • 判断や社内外の調整は、上長や社内の方に寄せます
  • 休業中は止める・減らす業務は、担い手を探さなくて済みます

こうして分けると、代替要員に求める条件が下がり、募集の幅が広がります。定型の作業を仕組みに置き換えられれば、担い手そのものが要らなくなる業務も出てきます。

派遣・外注・業務代行のちがいは比較のページ、費用の考え方は後任が見つかるまでの5つの選択肢で整理しています。休業中の業務の代替に関係する助成金として、厚生労働省の両立支援等助成金がありますが、要件は厚生労働省・労働局でご確認ください。

3. 引き継ぎは、復帰される方に戻すところまで考える

退職の引き継ぎとちがうのは、休業が終わったら、業務を復帰される方に戻すことです。休業中に業務のやり方が変わっていると、復帰される方は、自分の仕事なのにわからない状態から始めることになります。たとえば、休業中に請求書の発行を新しいツールに切り替えた場合、その記録がなければ、復帰される方は前のやり方のまま戻ってきます。

業務を3つに分ける

休業に入る方と一緒に、業務を書き出して3つに分けます。

区分 例
休業中も止められない 請求・支払の準備、受注の処理、毎月の集計
休業中は減らす・止める 社内資料の見直し、新しい取り組みの準備
復帰まで待てる 休業に入る方でないと進めにくい改善の企画

止められない業務は、画面を操作しながら説明してもらい、その様子を録画して残します。判断の基準は、場面ごとに表にします。残し方は動画とAIで残す方法で紹介しています。

休業中の「変わったこと」を記録する

業務を引き受けた側は、休業中に変わったことを1か所に記録していきます。これが、復帰のときの引き継ぎの材料になります。

記録すること 例
取引先の変化 担当の方が変わった、締め日や書類の形式が変わった
業務のやり方の変化 ツールが変わった、手順を一部省いた、仕組みに置き換えた
迷って判断したこと 判断表にない場面と、そのときの対応
進行中の案件 休業中に始まった案件と、いまの状況

復帰のときに業務を戻す

復帰の前に、次のものをそろえておきます。

復帰の前にそろえるもの 中身
戻す業務の一覧 休業前の業務のうち、どれを戻し、どれを引き続き別の担い手に任せるか
変わったことの記録 休業中の取引先・手順・ツールの変化を、業務ごとに整理したもの
更新したマニュアル 休業中に手順が変わった業務の録画と手順書
アカウントと権限 休業中に止めていたアカウントの再開、新しく使い始めたツールの権限
進行中の案件 いまの状況と、次にすること、期限

復帰の前後に、変わったことの記録をもとに説明し、しばらくは引き受けていた側と並んで業務を回します。厚生労働省は、育児休業から復帰するときなどにも、働き方の意向を確かめることが望ましいとしています(厚生労働省)。復帰後に勤務時間が短くなる場合は、どの業務を戻し、どの業務を引き続き別の担い手に任せるかも、このときに相談します。

4. 休業中の連絡は、ご本人の希望に合わせる

休業中の連絡の取り方は、休業に入る前に、ご本人の希望を聞いて決めておきます。

決めること 例
連絡してよいか 手続きの連絡だけにしてほしい、職場の様子も知りたい、など
方法 メール、チャット、郵送
頻度 必要なときだけ、月に1回程度、など
会社側の窓口 連絡をする方を1人に決める

業務の質問は、休業中にはしない前提で準備します。そのために、手順の録画と判断表を、休業に入る前にそろえておきます。休業中に判断に迷ったときは、休業中の方ではなく、上長が決めて記録に残します。

一方で、手続きの書類のやり取りなど、休業中でも会社から連絡が要る場面はあります。どんな連絡が、どの時期に行きそうかを休業前にお伝えしておくと、ご本人も予定が立てやすくなります。職場の様子を知りたいという希望があれば、その範囲で共有します。

5. 休業に入るまでのチェックリスト

項目 確認すること
休業の予定 産前休業の開始予定日と、育児休業の予定期間を確かめた
業務の仕分け 業務を書き出し、3つに分けた
担い手 業務ごとに、休業中の担い手と期間を決めた
残すもの 止められない業務の録画、判断表、連絡先の一覧がそろった
社外への連絡 取引先に、担当が変わることと新しい連絡先を伝えた
変更の記録 休業中に変わったことを書く場所を決めた
休業中の連絡 連絡の方法と頻度を、ご本人と決めた
手続き 社会保険などの手続きを、顧問の社労士に確認した

休業に入る前の準備は、退職の引き継ぎとほとんど同じです。時間が足りないときの順番は残り2週間でやる順番も参考にしてください。休業中に定型の作業を仕組みに置き換えておくと、復帰される方に戻す業務を軽くできます(仕組み化の進め方)。

引継ぎ代行プラスでできること

引継ぎ代行プラスは、休業に入る方からオンラインで業務を引き継ぎ、マニュアル・動画マニュアル・引継ぎAI(質問に答えるAI)にまとめます(料金は月給の50%、1回)。休業中の業務はリモートで代行し(月給の60〜80%/月、最低2か月)、代行の期間は休業の期間に合わせて決められます。最後は、復帰される方に業務を引き継ぎ直します。すべてリモートで行い、現地の作業(郵便・来客・現金)、支払いの実行、契約や価格の判断は引き受けません。詳しくは産休・育休の引継ぎ代行をご覧ください。ご相談と簡易診断は無料です。

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