使う順番は、1の業務の一覧から始めて、2の聞き取り、3の清書へ進むのが基本です。録画がある業務は4、見落としを防ぐには5と6を使います。プロンプトの使い方や、AIが間違えやすいところは、AIで引き継ぎ書を作る方法でくわしく紹介しています。
使う前に 会社の生成AIの利用ルールと、サービスの設定(入力した内容を学習に使うかどうか)を確かめてください。パスワード、口座番号、個人の給与・健康の情報は入れません。取引先の名前は「A社」などに置き換えてから使う方法もあります。
プロンプトの一覧
| No | プロンプト | 使う場面 |
|---|---|---|
| 1 | 業務の一覧を作る | 最初に、担当している業務を洗い出す |
| 2 | 業務ごとに聞き取りをしてもらう | 判断の基準や例外を引き出す |
| 3 | 引き継ぎ書の形に整える | 聞き取った内容を清書する |
| 4 | 録画の文字起こしから手順書を作る | 画面操作の録画がある業務 |
| 5 | 年に1回・月に1回の業務を洗い出す | 決算、年末調整、休業の案内などの見落としを防ぐ |
| 6 | 後任の目で抜けを探してもらう | できた引き継ぎ書を見直す |
| 7 | 取引先への引き継ぎの挨拶メールを作る | 担当の交代を知らせる |
| 8 | 引き継ぎ資料に質問できるAIの答え方を決める | 後任の方が資料に質問できるようにする |
1. 業務の一覧を作る
業務のメモ、カレンダー、メールの件名などを貼り、担当している業務を表にしてもらいます。
あなたは業務の引き継ぎを手伝うアシスタントです。
私は【職種・担当】の担当で、【退職日・休業開始日】に【退職・休業】します。
下に、私の業務のメモ、カレンダーの予定、送ったメールの件名を貼ります。
これをもとに、私が担当している業務の一覧を表にしてください。
表の列:業務名/頻度(毎日・毎週・毎月・年1回・不定期)/期日・時期/使うシステムや資料/関係する人・取引先
条件:
・材料に書かれていないことは推測で書かず、「?」にしてください
・同じ業務がちがう名前で出てくる場合は、1つにまとめてください
・年に1回の業務は、見落としやすいので必ず別に並べてください
・最後に、一覧から抜けていそうな業務を、【職種】でよくある業務から挙げて質問してください
【ここに材料を貼る】
2. 業務ごとに聞き取りをしてもらう
判断の基準や例外は、AIに書かせるのではなく、AIに質問させて引き出します。前任の方が答え、AIがまとめます。
これから、下の業務について、後任の人が一人でできるように聞き取りをしてください。
業務:【業務名】
聞き取りのしかた:
・質問は1回に1つずつにしてください
・手順よりも、判断が必要な場面を中心に聞いてください
(例:いつもとちがうことが起きたら、どうするか/誰に確認するか)
・例外、過去のトラブル、気をつけることも聞いてください
・私が「わからない」「場合による」と答えたら、具体的な例を挙げて聞き直してください
・10問くらい聞いたら、聞き取った内容を次の形でまとめてください
手順/判断の基準(こういうときはこうする)/例外とトラブル/関係者/資料の場所
3. 引き継ぎ書の形に整える
聞き取った内容を、引き継ぎ書の項目に合わせて清書してもらいます。できた文章は引き継ぎ書テンプレートに貼り付けます。
ここまでの聞き取りの内容を、引き継ぎ書の形に整えてください。
項目:
1. 業務の概要(何のための業務か、1〜2行で)
2. 頻度・期日
3. 手順(番号付き。1つの手順は1行で)
4. 判断の基準(「〇〇のときは△△する。迷ったら□□さんに確認」の形)
5. 例外・過去のトラブルと対応
6. 関係者と連絡のしかた
7. 資料・システムの場所
条件:
・聞き取りで出てこなかったことは書かず、「【要確認】」と書いてください
・専門用語や社内の略語には、かっこで短い説明を付けてください
・後任の人は、この業務を一度もやったことがない前提で書いてください
4. 録画の文字起こしから手順書を作る
業務をしながら声で説明した録画の文字起こしを、手順書にしてもらいます。録画のしかたは動画からマニュアルをAIで作る方法をご覧ください。手順書の書式は引き継ぎマニュアルのテンプレートが使えます。
下は、業務【業務名】を、画面を操作しながら説明した録画の文字起こしです。
これをもとに、この業務を一度もやったことがない人のための手順書を作ってください。
形式:
1. この業務の目的(1〜2行)
2. 始める前に準備するもの
3. 手順(番号付き。1つの手順は1行で、押すボタンや入力する欄の名前を「」で書く)
4. 判断が必要な場面(「〇〇のときは△△する」の形)
5. 気をつけること・よくある間違い
6. 動画の何分ごろに、どの手順が映っているか
条件:
・文字起こしに出てこないことは書き足さず、「【要確認】」と書いてください
・言い間違いや言い直しは、正しいほうに整えてください
・文字起こしの中の次の言葉は、聞き間違いなので直してください:【聞き間違い → 正しい言葉】
【ここに文字起こしを貼る】
5. 年に1回・月に1回の業務を洗い出す
引き継ぎでいちばん抜けやすいのは、年に1回の業務です。過去1年分のカレンダーやメールの件名から探してもらいます。
下は、私の過去1年分のカレンダーの予定と、送ったメールの件名です。
ここから、年に1回・半年に1回・月に1回の業務を探して、月ごとの表にしてください。
表の列:月/業務/前年に使った資料・送ったメール/前もって準備すること
条件:
・材料に書かれていないことは書かないでください
・「毎年この時期」とわかるものは、来年の日付の目安も書いてください
・【職種】で、年に1回よくある業務のうち、材料に見当たらないものがあれば、最後に質問してください
【ここにカレンダーの予定・メールの件名を貼る】
6. 後任の目で抜けを探してもらう
できた引き継ぎ書を、初めて担当する人の目で読んでもらいます。出てきた質問に前任の方が答えて書き足します。
あなたは、この業務を初めて担当する後任者です。
下の引き継ぎ書を読んで、この引き継ぎ書だけでは一人でできないところを探してください。
出してほしいもの:
・意味がわからない言葉
・「誰に」「いつまでに」「どこに」が書かれていないところ
・「適宜」「状況に応じて」など、判断できない書き方のところ
・例外やトラブルのときにどうするかが書かれていない業務
・それぞれ、前任者に聞くための質問の形で書いてください
【ここに引き継ぎ書を貼る】
7. 取引先への引き継ぎの挨拶メールを作る
担当の交代を取引先に知らせるメールの下書きを作ります。例文は引き継ぎメールの例文にもまとめています。
取引先に、担当の交代を知らせるメールを作ってください。
・送る人:【前任の名前】(【退職・異動】のため【日付】で担当を外れる)
・後任:【後任の名前】(【日付】から担当)
・相手:【取引先の会社名・担当者名】
・伝えたいこと:これまでのお礼、後任の紹介、進行中の案件【案件名】の引き継ぎ状況、今後の連絡先
条件:
・ビジネスメールとして丁寧に、長くなりすぎないようにしてください
・退職の理由は書かないでください
・件名も付けてください
8. 引き継ぎ資料に質問できるAIの答え方を決める
引き継ぎ書やマニュアルを登録したAIに、答え方のルールとして設定します。作り方は社内ナレッジAIの作り方で紹介しています。
あなたは【部署名】の業務について、後任の担当者からの質問に答えるアシスタントです。
答え方のルール:
・登録された資料に書いてあることだけをもとに答えてください
・資料に書いていないことは、推測で答えず「資料に書かれていません。【確認先】に確認してください」と答えてください
・答えの最後に、もとにした資料の名前と、その箇所を書いてください
・資料どうしで内容がちがう場合は、両方を示し、更新日が新しいほうを先に書いてください
・金額や期日など、まちがえると困ることは、資料の文をそのまま引用してください
・新しい判断が必要な質問(資料にない例外など)には、判断せずに確認先を案内してください
職種ごとに書き換えるところ
1と5のプロンプトの【職種】を書き換えると、その職種でよくある業務を挙げてもらえます。職種ごとのよくある業務と年間スケジュールは、職種別のテンプレートにも入れています。
| 職種 | 【職種】に入れる言葉の例 | テンプレート |
|---|---|---|
| 経理 | 中小企業の経理(月次決算・支払い・請求・年次決算) | 経理の引き継ぎ書 |
| 総務 | 中小企業の総務(備品・契約・社内の手続き・年末調整の取りまとめ) | 総務の引き継ぎ書 |
| 営業事務 | 営業事務・受発注(受注の入力・見積・納期の回答) | 営業事務の引き継ぎ書 |
よくあるご質問
本当に無料ですか?登録は必要ですか?
無料です。メールアドレスの登録もいりません。このページのプロンプトは「コピー」のボタンでコピーでき、Word版はボタンを押すとそのままダウンロードされます。
どのAIで使えますか?
ChatGPT、Claude、Geminiなど、文章で指示を出す生成AIならどれでも使えます。会社で使ってよいと決まっているAIがあれば、それを使ってください。
AIの答えはそのまま使えますか?
そのまま使わず、前任の方と上司が必ず確かめてください。AIは、話していないことを書き足したり、数字や手順の順番を間違えたりすることがあります。プロンプトに「推測で書かず【要確認】と書く」と入れているのは、確かめるところをわかりやすくするためです。
