産休・育休の引き継ぎのやり方。休業前の準備から、復帰のときの引き継ぎ直しまで
産休・育休の引き継ぎは、退職の引き継ぎと似ていますが、ちがう点が3つあります。休業に入る時期が体調によって早まることがあること、休業の期間が長いこと、そして復帰したときにもう一度引き継ぎ直すことです。
この記事では、産休・育休に入る方の業務の引き継ぎを、準備から復帰まで順に紹介します。
産休・育休の期間
産前の休業は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から、本人が請求すれば取ることができます。産後は8週間、原則として働くことができません(労働基準法第65条)。育児休業は、原則として子が1歳になるまで取ることができます(育児・介護休業法第5条。条件により延長があります)。
産休と育休を続けて取ると、休業の期間は1年前後になります。その間、業務を誰が持つかを決めるのが、引き継ぎの出発点です。
退職の引き継ぎとのちがい
| 退職 | 産休・育休 | |
|---|---|---|
| 引き継ぎの終わり | 後任の方に渡して終わり | 復帰のときに、ご本人へ引き継ぎ直す |
| 開始の時期 | 退職日から逆算して決められる | 体調によって、予定より早く休業に入ることがある |
| 休業中の連絡 | 基本的にしない | 緊急のときだけ連絡するか、事前に決めておく |
| 業務の持ち方 | 後任の方が持つ | 一時的に誰かが持つ。期間限定の代わりの方を探すことも多い |
いちばん大きいのは、開始の時期が早まる可能性があることです。予定の休業日に合わせて引き継ぎの計画を立てると、体調の変化で急に休むことになったときに間に合いません。
1. 早めに、引き継ぎ書を作り始める
妊娠の報告を受けたら、休業の予定日より前倒しで引き継ぎを進めます。目安として、休業の予定日の1か月前には、引き継ぎ書がひととおりできている状態をめざします。
引き継ぎ書には、業務一覧、判断の基準、年間カレンダー、関係者、アカウント、進行中の案件を書きます。書き方は引き継ぎ書の書き方、テンプレートは引き継ぎ書テンプレート(Excel・Word)を使ってください。
体調を優先するため、長時間の作業にならないよう、1日30分ずつなど小分けにして進めると負担が減ります。
2. 休業中に誰が持つかを決める
業務ごとに、休業中に誰が持つかを決めます。
| 持ち方 | 向いている業務 |
|---|---|
| 同じ部署の方が持つ | 量が少なく、判断が少ない業務 |
| 上司が持つ | 判断や承認が要る業務 |
| 期間限定の代わりの方を採用する・派遣を入れる | 量が多く、毎日の業務 |
| 外に任せる | 代わりの方が見つからない。期間限定のために採用しにくい |
| 休業中は止める・減らす | 止めても影響が小さい業務 |
代わりの方が見つからないときの選択肢は、産休・育休の代替要員が見つからないときで比べています。
3. 休業中の連絡のしかたを決めておく
休業中に、どうしてもご本人に確認したいことが出てくる場合があります。連絡するかどうか、するならどんな場合に、どの手段で連絡するかを、休業に入る前にご本人と決めておきます。
- 連絡するのは、引き継ぎ書に書いていない判断が必要なときだけにする
- 連絡はメールなど、ご本人の都合のよいときに見られる手段にする
- 連絡の窓口は上司1人にまとめる(複数の人から連絡しない)
連絡しなくて済むように、判断の基準をできるだけ引き継ぎ書に残しておくことが、いちばんの対策です。
4. 休業中の変化を記録しておく
休業が1年近くになると、その間に業務のやり方や取引先、システムが変わります。復帰のときに引き継ぎ直すために、休業中に変わったことを記録しておきます。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| やり方が変わった業務 | 受注の入力をFAXからWeb発注に切り替えた |
| 取引先・担当者の変化 | 取引先の担当者が替わった。新しい取引先が増えた |
| システム・ツールの変化 | 会計ソフトのバージョンが変わった |
| 社内のルールの変化 | 経費精算の締め日が変わった |
引き継ぎ書に「休業中の変化」の欄を足して、業務を持った方が気づいたときに書き足していく形にすると、復帰のときにそのまま使えます。
5. 復帰のときに引き継ぎ直す
復帰のときは、休業前の引き継ぎ書と、休業中の変化の記録をもとに、業務をご本人に戻します。
- 復帰の1〜2週間前に、休業中の変化の記録をご本人に共有する
- 復帰後の最初の1〜2週間は、業務を持っていた方と一緒に業務を回す
- 時短勤務などで業務の量が変わる場合は、どの業務をご本人に戻し、どの業務をほかの方が持ち続けるかを決め直す
復帰後の働き方が休業前と変わることもあるため、業務をすべて元に戻すとは限りません。この機会に、業務の分担を見直す会社もあります。
引継ぎ代行プラスでできること
引継ぎ代行プラスは、産休・育休に入る方からオンラインで業務を引き継ぎ、マニュアル・動画マニュアル・引継ぎAIにまとめたうえで、休業のあいだの業務をリモートで代行します(営業事務・受発注・総務など。経理・給与計算は引き継ぎまで)。復帰されるときは、休業中に変わったことも含めて、ご本人に引き継ぎ直します。くわしくは産休・育休の代わりをご覧ください。相談と簡易診断は無料です(お問い合わせ)。