引き継ぎでキャパオーバー、仕事がぐちゃぐちゃになったときの立て直し方
同僚が辞めて、その方の仕事が急に自分に回ってきた。自分の仕事もそのままで、やることが倍になった。引き継ぎも十分ではなく、どこまでが自分の担当なのかもはっきりしない。こうした状態は、多くの職場で起きています。
この記事では、引き継ぎでキャパオーバーになったときに、仕事を整理して立て直す手順を紹介します。後半では、上司や会社の側ができることもまとめます。
なぜキャパオーバーになるのか
引き継ぎでキャパオーバーになるのは、本人の力の問題ではなく、仕事の配り方の問題であることがほとんどです。
| よくある形 | 起きていること |
|---|---|
| 辞めた方の仕事が、そのまま上乗せされた | 自分の仕事は減らないまま、仕事の量だけが増えている |
| 引き継ぎが足りず、調べながら進めている | 1つの業務に、ふだんの何倍も時間がかかる |
| 期限がいつまでかわからない | 後任が決まるまでなのか、ずっとなのかが決まっていない |
| 誰に聞けばいいかわからない | 判断が必要な場面で手が止まる |
仮の担当として引き継ぎを受けた場合、後任が決まったらもう一度引き継ぐ「二重引継ぎ」になることもあります。くわしくは二重引継ぎとはで書いています。
1. 仕事をすべて書き出す
頭の中で「やることが多すぎる」と感じている状態では、何から手をつければいいか決められません。まず、今抱えている仕事を、自分の仕事と引き継いだ仕事に分けて、すべて書き出します。
| 仕事 | もとの担当 | 期限 | 1回の時間 | 頻度 |
|---|---|---|---|---|
| 受注の入力 | 自分 | 毎日15時 | 30分 | 毎日 |
| 見積書の作成 | 引き継いだ(山田さん) | 依頼から2日以内 | 1時間 | 週3回 |
| 月末の売上報告 | 引き継いだ(山田さん) | 毎月末 | 3時間 | 月1回 |
書き出すと、どこで時間が足りていないかが見えます。業務棚卸しのフォーマットを使うと、月の時間が自動で計算されるので、上司に見せる資料にもなります。
2. 仕事を3つに分ける
書き出した仕事を、次の3つに分けます。
| 分け方 | 例 |
|---|---|
| 止められない(期限がある、取引先に影響する) | 受注の入力、請求書の発行、給与の準備 |
| 遅らせられる(少し遅れても影響が小さい) | 社内向けの報告、資料の整理 |
| やめられる・減らせる(慣例で続けている) | 誰も見ていない週報、二重に作っている集計 |
止められない仕事から手をつけ、遅らせられる仕事は期限を延ばしてもらい、やめられる仕事は上司に相談してやめます。全部を同じように片付けようとしないことが、立て直しの出発点です。
3. わからないことを一覧にする
引き継ぎがぐちゃぐちゃな状態では、わからないことが少しずつ出てきて、そのたびに手が止まります。わからないことはその場で調べ続けず、一覧にためておき、まとめて上司や前任の方に聞きます。
前任の方がすでに辞めている場合は、メールやファイルの記録から読み解く方法があります。進め方は引き継ぎがされていない・雑だったときで紹介しています。
4. 上司に、数字で相談する
キャパオーバーを上司に伝えるときは、「大変です」ではなく、書き出した仕事の一覧と時間を見せて相談します。数字があると、上司も判断しやすくなります。
相談するときの書き方の例
山田さんの業務を引き継いでから、月の業務が約40時間増えています(一覧を添付します)。 このうち、次の3つについて相談させてください。 1. 月末の売上報告(月3時間):形式を簡単にするか、別の方に持っていただけないか 2. 社内向けの週報(月4時間):当面止めてもよいか 3. 見積書の作成:後任の方が決まるまでの期間の見込みを教えてほしい
相談するときは、何を決めてほしいかをはっきり書きます。「どうすればいいですか」と聞くより、選択肢を出して選んでもらうほうが早く決まります。
5. 引き継いだ仕事のやり方を残していく
調べながら進めた仕事のやり方は、その都度メモに残します。そのメモが、次に後任の方へ渡すときの引き継ぎ書になります。同じことを二度調べずに済み、後任が決まったときの引き継ぎも短くなります。書き方は引き継ぎ書の書き方が参考になります。
上司・会社ができること
引き継ぎでキャパオーバーが起きるのは、仕事の配り方が決まっていないことが原因であることが多いです。上司や会社の側では、次のことができます。
- 誰が、いつまで持つかを決める 「後任が決まるまで」なのか、期限を区切るのかを決めて伝えます。終わりが見えない負担は、次の退職につながりやすくなります。
- 増えた分を、ほかの仕事から減らす 引き継いだ仕事を足すなら、もとの仕事のどれを減らすかも一緒に決めます。
- 一時的に外の力を使う 後任が見つかるまでの間だけ、業務を外に任せる方法もあります。選択肢は後任が見つかるまでの業務の回し方で比べています。
残ったメンバーの負担については、引き継ぎのストレスと会社ができることでもくわしく書いています。業務の引き継ぎ全体の流れは、業務の引き継ぎガイドをご覧ください。
引継ぎ代行プラスでできること
引継ぎ代行プラスは、退職する方(またはすでに業務を引き継いだ方)からオンラインで業務を引き継ぎ、業務一覧と判断の表、マニュアル、引継ぎAIにまとめます。後任の方が決まるまでの業務は、リモートで代行し、残ったメンバーの方の負担を減らします(営業事務・受発注・総務など。経理・給与計算は引き継ぎまで)。相談と簡易診断は無料です(お問い合わせ)。