引き継ぎ期間の目安はどのくらい?2週間・1か月で終わらせる進め方
退職や異動が決まったとき、最初に気になるのが、引き継ぎにどのくらいの期間がとれるかです。期間は会社や業務によってちがい、決まった平均はありません。大事なのは、使える日数を先に数えて、その中で何を優先するかを決めることです。
この記事では、引き継ぎ期間の考え方と、2週間・1か月の場合の進め方を紹介します。
引き継ぎ期間は「最終出社日まで」で数える
引き継ぎに使えるのは、退職日までではなく、最終出社日までです。有給休暇をまとめて消化する場合、退職日の数週間前に最終出社日が来ます。
| 日付 | 例 |
|---|---|
| 退職の申し出 | 10月1日 |
| 最終出社日 | 10月31日(有給休暇を消化するため) |
| 退職日 | 11月30日 |
| 引き継ぎに使える期間 | 10月1日〜10月31日(約1か月) |
申し出を受けたら、上司はまず最終出社日と有給休暇の日数を確かめます。ここがあいまいなまま進めると、最後の週に有給休暇に入ることがわかり、後任の方との確認の時間がなくなります。
退職の申し入れと引き継ぎ期間
法律では、期間の定めのない雇用は、退職の申し入れから2週間で終わるとされています(民法第627条)。就業規則で申し出の時期を決めている会社もありますが、その期間がそのまま引き継ぎに使えるとは限りません。
引き継ぎの期間が短くなりそうなときは、退職を引き止めたり延ばしたりするより、短い期間で何を残すかを決めるほうが現実的です。
引き継ぎ期間の目安
必要な期間は、業務の量と、後任の方が決まっているかで変わります。
| 状況 | 期間の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 定型の業務が中心で、後任の方が決まっている | 2〜3週間 | 資料を作り、後任の方と一緒に回す時間がとれれば足りる |
| 判断が要る業務や、取引先とのやりとりが多い | 1か月以上 | 判断の基準を書き出し、取引先への担当交代の連絡にも時間がかかる |
| 年に1回の業務(決算・年末調整など)が近い | その業務が終わるまで、または1か月以上 | 実際に一度やってみないと伝わらない部分がある |
| 後任の方が決まっていない | 期間に関係なく、決まるまで持つ人を先に決める | 誰に向けて資料を作るかが決まらないと進まない |
最終出社日の1週間前までに資料ができ、残りの1週間で後任の方と一緒に業務を回せると、引き継ぎの漏れが見つかりやすくなります。
1か月ある場合の進め方
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 引き継ぐ相手と期間を決める。業務をすべて書き出し、「引き継ぐ/ほかの人に渡す/やめる」に分ける |
| 2週目 | 引き継ぎ書に、業務ごとの目的・期日・判断の基準を書く。年間カレンダーを書く |
| 3週目 | よく使う業務の画面操作を録画する。関係者・アカウント・進行中の案件の一覧を作る。取引先に担当交代を伝える |
| 4週目 | 後任の方が資料を見ながら業務をやり、前任の方が横で見る。足りないところを書き足す |
日ごとの計画は、引き継ぎ計画書・チェックリストのテンプレートを使うと立てやすくなります。
2週間しかない場合の進め方
2週間しかない場合は、全部を丁寧に残すことはできません。次の順で優先します。
- 判断の基準 前任の方にしか書けない部分です。手順より先に書きます。
- 関係者・アカウントの一覧 抜けると、取引先への連絡やシステムへのログインが止まります。表にするだけなので時間はかかりません。
- 進行中の案件 やりかけのことと、次に誰が何をするかを書きます。
- 画面操作の録画 手順書を文章で書く代わりに、業務をしながら録画します。
- 手順書 時間が残れば、よく使う業務から作ります。
残り2週間でやる順番は、退職日までに引き継ぎが間に合わないときでくわしく紹介しています。
期間が足りないときの選択肢
期間内に引き継ぎが終わりそうにないときは、次のような選択肢があります。
| 選択肢 | 向いているとき |
|---|---|
| 業務を減らす | 慣例で続けている業務がある。引き継ぐ量そのものを減らす |
| 上司や同僚が一時的に持つ | 業務の量が少なく、判断を上司が持てる |
| 退職後に質問できるようにしておく | 前任の方と会社の関係が良好で、本人の了承がある |
| 外に任せる | 後任がしばらく決まりそうにない。引き継ぎを受けて資料にまとめるところから頼める |
後任が見つかるまでの業務の回し方と費用の比べ方は、後任が見つかるまでの業務をどう回すかにまとめています。業務の引き継ぎ全体の流れは、業務の引き継ぎガイドをご覧ください。
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