引継ぎ代行
二重引継ぎとは?退職のたびに引き継ぎが2回起き、仕事が抜けていく理由
社員の方が辞めるとき、業務はふつう、次のように引き継がれていきます。
- 辞める方から、同じ部署の方へ(仮の担当として)
- 仮担当の方から、新しく入った後任の方へ
引き継ぎが2回起き、そのたびに少しずつ情報が抜けていく。私たちは、この状態を二重引継ぎと呼んでいます。この記事では、二重引継ぎがなぜ起きるのか、何が失われるのか、どうすれば防げるのかを整理します。
二重引継ぎとは
二重引継ぎとは、辞める方の業務が、仮担当の方を経由して後任の方に渡ることで、引き継ぎが2回起きることです。
| 1回目 | 2回目 | |
|---|---|---|
| 渡す方 | 辞める方 | 仮担当の方 |
| 受け取る方 | 仮担当の方 | 後任の方 |
| 渡す方の状態 | 退職日と有給休暇が迫り、時間がない | 自分の仕事と兼務で、業務を完全には理解していない |
| 抜けやすいもの | 判断の基準、年に一度の業務、取引先ごとの事情 | 1回目で抜けたもの+仮担当の方の自己流 |
1回目の引き継ぎは、退職日までの短い期間で行われます。2回目は、業務を完全には理解していない方が行います。情報は、伝わるたびに少しずつ欠けていきます。
なぜ二重引継ぎが起きるのか
後任は、退職日に間に合わない
退職の申し出から退職日までは、1〜2か月ほどのことが多くあります。有給休暇の消化を差し引くと、辞める方と一緒に引き継げるのは3〜4週間ほどです。その間に求人を出し、面接をして、入社日を決めるのは簡単ではありません。
引継ぎ先が、社内にしかない
後任が間に合わないとき、会社が思いつく選択肢は、社内の誰かに仮で持ってもらうか、派遣を入れるかです。どちらも、辞める方の知識を受け取る人と、後任の方に渡す人が別になり、引き継ぎは2回になります。
二重引継ぎで失われるもの
判断の基準
手順は、画面を見ればある程度わかります。失われやすいのは「こういうときはこうする」という判断です。値引きをどこまで受けるか、納期が遅れそうなときに誰に先に伝えるか。1回目で聞きそびれた判断は、2回目ではもう誰にもわかりません。
年に一度の業務と、取引先ごとの事情
年に一度しかない業務や、特定の取引先だけの決まりごとは、ふだんの業務一覧から漏れがちです。仮担当の期間中にその時期が来なければ、2回目の引き継ぎでは話題にも上りません。
仮担当の方の時間と、気持ち
仮担当の方は、自分の仕事に辞めた方の仕事が上乗せされます。慣れない業務でミスが出れば、その対応にも追われます。後任の方が入れば、今度は教える側に回ります。
株式会社ヌーラボの調査では、20〜25歳の会社員の47.8%が「業務の引継ぎで困った経験がある」と答えています(出典)。株式会社taiziiiが大企業の管理職200名に聞いた調査では、引継ぎの課題の1位は「暗黙知が共有されない」(39.5%)でした(出典)。引き継ぎが1回でも難しいのに、それが2回起きるのが二重引継ぎです。
負担が長く続くと、仮担当の方の退職につながることもあります。そうなると、また同じことがくり返されます。
二重引継ぎを防ぐ3つの方法
1. 辞める方の知識を、人ではなく「形」で残す
1回目の引き継ぎで、辞める方の知識を、仮担当の方の記憶ではなく、手順書・画面の録画・判断表として会社に残します。形で残っていれば、後任の方は仮担当の方を経由せず、辞める方の知識に直接たどり着けます。残し方は引き継ぎマニュアルの作り方で紹介しています。
2. 仮担当は「業務ごと」に、期間を決めて置く
どうしても仮担当が必要なら、1人にまとめて寄せず、業務ごとに持つ方を決めます。期間は「後任が決まるまで」ではなく、「12月末まで」のように日付で伝えます。決め方は部下が退職するのに後任がいない。上司が最初の1週間で決めることで紹介しています。
3. 引継ぎ先を、いったん外に置く
辞める方から外部が直接引き継ぎ、後任が決まるまで業務を回し、後任の方に渡す。これが引継ぎ代行です。受け取る人と渡す人が同じなので、引き継ぎは実質1回で済み、社内の方に仮担当の負担がかかりません。
| 仮担当に寄せる | 引継ぎ代行を使う | |
|---|---|---|
| 辞める方から受け取る人 | 仮担当の方 | 引継ぎ代行 |
| 後任の方に渡す人 | 仮担当の方 | 引継ぎ代行(受け取った本人) |
| 知識の残り方 | 仮担当の方の記憶 | 手順書・録画・判断表として会社に残る |
| 社内の負担 | 仮担当の方に集中する | 窓口の方の確認だけ |
二重引継ぎが起きやすい会社
- 1人で担当している業務が多い(一人経理、一人営業事務など)
- 手順書がなく、判断の基準が担当の方の頭の中にある
- 採用に時間がかかり、退職日までに後任が決まったことがあまりない
- 前回の退職のあと、仮担当の方も辞めたことがある
一つでも当てはまる場合は、次の退職が出る前に、業務の一覧と判断の基準を残しておくことをおすすめします。先にやっておくことは後任が決まらない・いないまま退職日が来る。引き継ぎで先にやっておく5つのことにまとめています。
引継ぎ代行プラスでできること
引継ぎ代行プラスは、辞める方からオンラインで業務を直接引き継ぎ、マニュアル・動画マニュアル・引継ぎAI(質問に答えるAI)にまとめます。営業事務・受発注・総務などの業務は、後任の方が決まるまでリモートで代行し、後任の方が慣れるまで最長1か月お伝えします。受け取った私たちがそのまま後任の方に渡すので、二重引継ぎが起きません。経理・給与計算は、業務の代行はせず、引き継ぎ(マニュアル・動画・引継ぎAIの作成)だけをお引き受けしています。相談と簡易診断は無料です。